新型コロナウイルス感染に対する新エース「短鎖脂肪酸」
2021-07-30

セルスペクト(株)科学調査班編集
2021年7月30日更新

 

 福井大学の研究者らは、「短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)」が、新型コロナウイルスの感染予防と死亡率低下に、有効的だと発表した。
 新型コロナウイルスは、細胞の表面にあるタンパク質「アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)」と結合することで、細胞内に侵入する。人の臓器では、ACE2は鼻粘膜に最も存在するため、新型コロナは鼻からの感染が多いと言われている。
 過去の研究から、鼻の炎症(鼻副鼻腔炎)を持つ感染者は、ACE2が少なく、コロナに感染しても、入院する可能性が低いとわかっている。
 また、腸内細菌によって作られる酸の一種「短鎖脂肪酸(SCFA)」が、新型コロナ感染予防に有効的だという報告もある。
 

 高林哲司博士を初めとする福井大学の科学者らは、これらを立証する研究を進めた。
 まず、スギ花粉や蓄のう症(慢性副鼻腔炎)によるアレルギー性鼻炎患者を調べ、鼻炎持ちだと、新型コロナに感染しにくい可能性があると示した。
 さらに「短鎖脂肪酸」が、新型コロナの治療に活用できると証明。ACE2を持つ鼻上皮細胞の培養液に、短鎖脂肪酸と「dsRNA」(新型コロナウイルス内に存在し、ACE2を増強させる物質)を入れたところ、短鎖脂肪酸はdsRNA存在下でも、ACE2の量を抑えた。
 
 この結果から、短鎖脂肪酸がACE2の量を低下させる強い作用を持ち、細胞内に新型コロナウイルスが侵入するのを防ぐ力を持つと示している。つまり、感染予防と重症化予防に有効的という事である。
 これらの報告は、米国の総合学術雑誌「American Journal of Rhinology & Allergy」に掲載され、世界中に報告された。

 

引用文献:

  1. CDC: Evaluating and Caring for Patients with Post-COVID Conditions: Interim Guidance https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/hcp/clinical-care/post-covid-assessment-testing.html
  2. The pathology specialist: Recovered from COVID? Post COVID care and health tests you must take. Jun 01, 2021. Metropolis Healthcare
  3. Post COVID-19 Care: Tests You Must Take After Recovering from Coronavirus. May 13, 2021. News 18.

 

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