ふとした瞬間に、突然ふくらはぎが痙攣することで起こる「こむらがえり」。
あの激痛は、なかなか耐え難いものですね。
特に、朝起きた瞬間や、ランニングから帰ってきた直後など、なぜか必ず決まったタイミングでなってしまい、「また来たかー!」と呻く声もよく耳にします。
このコラムでは、そんなこむらがえりの原因とともに、今すぐに実践できる予防対策についても伝授したいと思います。
そもそも「こむらがえり」とは、からだがどんな状態になると起きやすいのでしょうか。
実は、発汗などで体内のミネラルバランスが乱れ、筋肉の動きを調整する機能がうまく働かなくなった時に発生しやすくなります。
また、もうひとつの原因として、冷えなどによる筋肉への血流不足などで起こることもあります。
そこまで解明されているのなら、予防はできないものかと思ってしまいますよね。
答えは……イエスです!
ほとんどの場合、普段の食生活に気をつけることで、徐々にではありますが予防していくことができます。
予防対策の筆頭としてあげられるのは、「水分補給」。
水分をしっかり摂ることによって、血のめぐりが良くなり、筋肉への血流不足を軽減させることができます。
特に水分補給すべきタイミングは、「運動前」と「就寝前」です。
運動でたくさん汗をかいた後は、からだがカラカラに乾いた状態となります。
一方、就寝中も汗をかくため、寝起きのからだは運動後と同様の状態です。
予防としておすすめするのは、運動前や就寝前に、コップ1杯の水を飲んでおくこと。
これだけで、運動後、起床後のからだのカラカラ度合を緩和することができます。
先に述べた通り、こむらがえりはミネラル不足でも起こりやすくなります。
筋肉の収縮に関わるミネラルには、カルシウムやマグネシウム、ナトリウムなど様々な種類がありますが、中でもからだの水分量を調節したり、神経のバランスにも関わる「カリウム」が不足してもなりやすいといわれています。
カリウムは、野菜や果物、芋に多く含まれています。
ただし、カリウムは水溶性なので茹でたりすると、栄養素が水に溶けだしてしまいます。
生で食べられるものはそのまま食べることが理想ですが、火を通す必要のあるものはスープなどで汁ごと食べるのがコツです。
そんな理由からいちばんおすすめしたいのが、ニンジン・タマネギ・じゃがいもがごろごろと入った野菜カレーです。
デザートにりんごなどの果物も添えれば、カリウム対策はばっちりといえるでしょう。
コーヒーを愛飲している方、お酒が大好きな方……要注意です!
実は、これらがこむらがえりを誘発している可能性もあります。
コーヒーに含まれる「カフェイン」、お酒に含まれる「アルコール」の利尿作用によって、知らぬ間に水分不足状態に陥っていることがあるからです。
これらを飲みすぎないことも予防方法の重要なポイントです。
それでも、こむらがえりになってしまった時は、「ふくらはぎの筋肉を伸ばす」……これに尽きます。
こむらがえりを起こしている足を前に伸ばし、足の指をつかんで手前に引っ張りましょう。
もちろん、起こる回数が多くてつらい場合は、我慢は禁物。
早めに医療機関を受診することをおすすめします。
こむらがえりの治療薬は市販もされていますので、お近くの調剤薬局に相談してみるのも良いでしょう。