3種類の新型コロナワクチンの副反応について
2021-03-19

セルスペクト(株)科学調査班編集
2021年3月19日更新

 

(注意:より専門的な内容については“(→ )内に記載しました。こちらは、読み飛ばしてください。)

 

新型コロナワクチンの接種は、感染予防や、重症化を防ぐ効果があると言われています。一方、新型コロナワクチンに限らず、あらゆるワクチンには副反応という有害な症状も生じることがよく知られています。これは、あなたの身体が防御態勢を構築している兆候であるとも言えます。現在、世界中で報告されている副反応は日常生活に支障をきたすレベルのものもありますが、おおよそ数日で回復すると報じられています。

本稿では、今後、日本でも利用される可能性がある3種類のワクチンの副反応についてとりあげます。

第三相臨床試験の結果によると、ファイザー/ビオンテック(BNT)社、モデルナ社およびアストラゼネカ(AZ)社製ワクチンのいずれも、いくつかの副反応が確認されています。

․ 若い人は年配の人よりも副反応の発生率が高い

․ アデノウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ社製ワクチンなど)の場合、1回目の接種の方が、2回目の接種よりも副反応の発生率が高い

․mRNAワクチン(ファイザー/BNT社製ワクチンなど)の場合、2回目の接種の方が、1回目の接種よりも副反応の発生率が高い

 

主要なワクチン開発会社3社の第3相臨床試験結果から報告された副反応発生率を以下に示します。

副反応アストラゼネカファイザー/BNTモデルナ
接種部位の痛み54.2 %84.1 %92.0 %
疲労感53.1 %62.9 %70.0 %
頭痛52.6 %55.1 %64.7 %
寒気31.9 %31.9 %45.4 %
38℃以上の発熱7.9 %14.2 %15.5 %
筋肉痛44.0 %38.3 %61.5 %
関節痛26.4 %23.6 %46.4 %

ほとんどの新型コロナのワクチンは、2回の接種が必要です。予防接種を受けた後に副反応が出たとしても、主治医から2回目の接種をしないように言われない限りは、2回目の接種を受けるべきと考えられています。予防接種をしてから身体が保護されるまで、時間が必要です。2回の接種が必要な新型コロナの予防接種は、2回目の接種を受けてから1~2週間後でないと予防効果が得られません。ほとんどの場合、発熱や、注射部位の痛みは典型的なワクチンの副反応です。

次のような場合は、担当の医師または医療従事者に連絡するべきであるとされています。

․接種部位の発赤や圧痛が、接種後24時間以降に強くなる

․副反応が全般的に強く起こっている場合や、数日たっても症状が治らない場合

 

(→心配されるワクチン接種後のアレルギー反応について、2月26日の米疾病予防管理センターの会議で発表された「ワクチン及び関連生物製剤諮問委員会」を以下にまとめます。)

 アストラゼネカファイザー/BNTモデルナ
重度のアレルギー反応* 1英国:690万回の接種中105例

英国:690万回の接種中169例

米国:994万回の接種中50例

米国:758万回の接種中21例
死亡例英国:690万回の接種中205例

英国:690万回の接種中197例

米国:994万回の接種中113例

米国:758万回の接種中83例
ワクチンが原因なしなしなし

*1重度なアレルギー反応の届出条件は、英国ではアナフィラキシー及びアナフィラキシー様反応、米国ではアナフィラキシーのみ

 

米国ではまだアストラゼネカワクチンを投与しておらず、一方、英国ではまだモデルナワクチンを投与していません。

計1,099例の死亡例を調査しましたが、ワクチン接種とは無関係であることが発表されています。なお、接種後の重度なアレルギー反応の発現率は極めて低いですが、接種後は同じ場所で30分間安静待機することが推奨されています。

 

引用文献:

  1. World Health Organization: WHO https://www.who.int/
  2. CDC “Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Treatment Guidelines”: https://www.covid19treatmentguidelines.nih.gov/
  3. UK Medicines and Healthcare Products Regulatory Agency: https://www.gov.uk/government/organisations/medicines-and-healthcare-products-regulatory-agency

 

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