セルスペクト(株)科学調査班編集
2021年12月24日更新
20ヶ国以上で確認され、世界保健機関(WHO)が感染急増を警告しているオミクロン株。来年早々にもデルタ株の感染数に追いつく勢いだが、感染力や死亡・重症化率、ブレークスルー感染の可能性など、未だ不明な点が多い。
明らかになっているのは、世界中で行われている「PCR検査」や「抗原検査」で、オミクロン株を発見できること。
表面の突起「スパイクタンパク質」に変異が32個もみられるオミクロン株を、なぜ従来の検査方法で検出できるのか。米国の医療機器メーカーが示した有効性について紹介する。
まず、分析機器大手「サーモ・フィッシャー」のPCR検査は、ウイルスの3つの遺伝子(スパイクタンパク質、ORF1ab、ヌクレオカプシドタンパク質)を検出して測定する。変異したスパイクタンパク質の遺伝子は検出できないが、他2つは見つけられるため、オミクロン株を発見できる。
医療機器大手「アボット・ラボラトリーズ」のPCR検査と抗原検査は、スパイクタンパク質を使用しない測定方法のため、影響ないとわかっている。
分析機器大手「キアゲン」、分子診断会社「コ・ダイアグノスティックス」のPCR検査も有効と判断されており、どんな変異株が出現しても対応できるよう、検査の改良を進めている。
検査キット開発ベンチャー「キュー・ヘルス」の検査は、PCR検査と同じ核酸検査の一種を用いる方法で、スパイクタンパク質の遺伝子ではなく、変異しにくいヌクレオカプシドタンパク質の遺伝子を検出して測定するため、影響はない。
オミクロン株の世界的大流行(パンデミック)を防ぐため、医療機器メーカーらは、オミクロン株の感染状況、研究資料などのデータベースから、検査薬やワクチン、治療方法の確立を急いでいる。
ちなみに、このデータベースを元に当社製品の有効性を調べたところ、薬王堂を通じて販売している抗原検査キット、自治体等から請け負っているPCR検査、ともにオミクロン株の検出が可能だと分かった。不安な方は活用してほしい。
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