セルスペクト(株)科学調査班編集
2022年5月13日更新
咳の音から新型コロナの感染を調べる携帯アプリ「ResApp」が登場した。開発者はオーストラリア企業、レズアップ・ヘルス(ResApp Health)社。もともとは肺炎や喘息などの呼吸器疾患の種類を判別するアプリだったが、「ゴホゴホッ」と5回咳き込むと、新型コロナを感知したことから、精度を検証した上で、コロナ感染の判別に活用されることになった。
このアプリは、使用されれば使用されるほど(データが集まるほど)精度が高まる「機械学習」を用いている。これまで集めてきた膨大な咳のデータを元に、病気の種類を判定しているため、精度は「聴診器で調べるより正確」と言われている。
実際、米国とインドで検証されたこのアプリの正確性は、陽性の的中率が92%、陰性の的中率は99%という高い精度だった。ただ無症状の感染者だと、精度が50〜60%に下がる。
陽性が出た場合は、抗原検査かPCR検査で確認することを勧めている。
4月12日に、レズアップ社を、製薬会社大手ファイザー社の子会社が買収した。今後は、顔や指紋の生体認証から検査情報のセキュリティーを高め、利用者の感染状況を即時に調べる必要がある観光地、レジャー施設、病院、介護施設などに普及させるという。
新型コロナ感染の特徴的な症状は、咳や喉の痛みだ。アプリで風邪やインフルエンザと見分けることができれば、より早期の治療につなげられる。
携帯アプリによる診断は、正確で速く、ミスが生じにくいと言われ、医療分野の人手不足の解消、オンライン診療の普及に大いに役立つと期待されている。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)によって、医療にITを活用する「ヘルスケアのデジタル化」が勢いを増している。
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