セルスペクト(株)科学調査班編集
2022年6月24日更新
新型コロナウイルスの感染予防策として、世界中でワクチンの接種が進んでいる。しかし昨今は、変異株が多様化し、感染者が増加傾向にある。
現在接種が進められているワクチンは、初期の武漢株をターゲットに開発されたため、変異株へのワクチンの効果は、人によって異なるからだ。
「ワクチンで作られた体内の抗体は、変異株に効果があるのか」。
それを調べられる検査チップ(タンパク質マイクロアレイ)を、台湾の国立成功大学(台湾台南市)の研究チームが開発した。
数センチ角のチップに、1滴の指先血から取り出した血しょうを乗せれば、変異株ごとのスパイクタンパク質との結合力、抗体の濃度等を調べられ、感染からの防御力「中和活性」の強さが1時間ほどでわかる。
さまざまな変異株の抗体に反応するよう、複数のタンパク質を用いているため、どの変異株に感染しやすいかがわかる。ワクチンの追加接種の判断材料になる。
また、軽度、重度の患者のチップの反応を分析したデータから、重症化しやすい変異株もわかる。
このチップは、手間や時間がかからないため、クリニックや在宅医療などで導入しやすい。
普及すれば、各個人のワクチンの有効性だけでなく、普及しているワクチンの効果検証にもなるだろう。汎用すれば、インフルエンザ等の他の感染症の予防対策、治療法の選択にも使える。
引用文献:
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