米国、生後6か月からワクチン接種へ
セルスペクト(株)科学調査班編集
2022年7月8日更新
米国で新型コロナワクチンの接種対象が、幼児まで引き下げられた。米食品医薬品局(FDA)は6月、これまで5歳以上を対象としていたファイザー社とモデルナ社のワクチン接種を、「生後6か月以上」まで広げた。対象年齢の引き下げによって、国内のほぼ全ての人にワクチンが行き渡ることになる。
ファイザー社のワクチンは、成人が接種する10分の1の量(3マイクログラム)を、間隔を空けて3回接種する。オミクロン型が流行した時期に実施した臨床試験では、感染への予防効果は80%だった。
モデルナ社のワクチンは、成人が接種する4分の1の量(25マイクログラム)を2回接種する。臨床試験によると、オミクロン型への発症予防効果は、生後6カ月~2歳未満が51%、2歳~6歳未満が37%だった。
※マイクログラムは100万分の1グラム
予想される一般的なワクチンの副作用は、発熱や注射した箇所の腫れなど軽度の症状など。ごくまれな例で、心筋梗塞や心筋炎、肺塞栓症などを引き起こす「小児多系統炎症性症候群(MIS-C)」の懸念がある。
1回の接種量が少ないほど副作用が小さいことから、ファイザー社は、当初2回接種としていたのを、3回接種に変更。可能な限りリスクを避けた。
FDAの諮問委員会は「どちらのワクチンも安全で効果がある」と述べている。成人よりも副作用を起こす人が少なく、起きる副作用も発熱や倦怠感など軽微で、心筋炎のリスクも比較的低いと言っている。
米疾病対策センター(CDC)によると、(5歳以上の)米国全体のワクチン接種率は71%。しかし、5〜11歳でみると接種率は約29%と低い。低年齢層のワクチン接種については、様子見をしている親が多いようだ。
感染を完全に防ぎきれるわけではないが、ワクチンは感染拡大の収束に有効だ。幼い子どもまでワクチンが行き渡れば、国全体の行動制限が緩和され、コロナ感染拡大前の生活を取り戻すことにつながる。
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